離婚協議書にサインしてしまった…後悔する前に知っておくべきこと

離婚協議書にサインしたものの、「本当にこの内容でよかったの?」と後悔していませんか?
特に、冷静に話し合えない状況で一方的に不利な条件を突きつけられたり、強引にサインを求められたりした場合、その契約が有効なのかどうか不安に感じる方は少なくありません。
結論から言うと、一度サインした離婚協議書でも、無効にしたり、取り消しができる可能性があります。
この記事では、離婚協議書にサインしてしまった後に後悔しているあなたのために、どのような場合に契約が無効・取り消しになるのか、そしてどうすればよいのかを解説します。
目次
離婚協議書にサインしたのに無効にできる?
離婚協議書は、夫婦間で取り決めた離婚条件をまとめたものです。法律上、書面にすることが義務付けられているわけではありませんが、後々のトラブルを防ぐために作成されます。
一度サインすると、原則としてその内容は有効となります。しかし、特定の場合にはその効力が否定されることがあります。
1. 意思表示の瑕疵(かし)による「取り消し」
民法では、詐欺や強迫によって結ばれた契約は、後から取り消すことができると定めています。
詐欺による取り消し
詐欺とは、相手をだまして契約を結ばせることです。
たとえば、以下のようなケースが該当します。
- 財産隠し: 相手が、本来分与すべき財産を隠して「これしかない」と言って離婚協議書にサインさせた場合
- 嘘の情報: 相手が「あなたの不倫が原因で慰謝料は一切払えない」と嘘の情報を伝え、それに騙されて慰謝料を諦めた場合
詐欺による取り消しは、詐欺の事実を知ってから3年以内、または契約から20年以内に申し立てる必要があります。
強迫による取り消し
強迫とは、相手を脅して契約を結ばせることです。
- 暴力を振るうと脅された: 「この内容でサインしなければ、お前や実家に危害を加える」と脅された場合
- 仕事を辞めさせると脅された: 会社に不倫の事実をばらすと脅され、生活が立ち行かなくなると思いサインしてしまった場合
強迫による取り消しは、強迫の状態がなくなってから3年以内、または契約から20年以内に申し立てる必要があります。
2. 公序良俗違反による「無効」
公序良俗(こうじょりょうぞく)とは、「公の秩序または善良の風俗」の略で、社会一般の常識や道徳のことです。
たとえサインした離婚協議書でも、その内容が公序良俗に反する場合は無効とされます。
たとえば、以下のような場合が該当します。
- 過剰な養育費の免除: 養育費は子どもの権利であり、親の義務です。たとえ離婚協議書に「養育費は一切支払わない」と記載されていても、その内容が子どもの利益を著しく害する場合は、公序良俗違反としてその条項が無効になることがあります。
- 面会交流の禁止: 親権を持たない親と子どもとの面会交流は、子どもの健全な成長のために重要な権利です。面会交流を一切禁止するような取り決めは、公序良俗に反すると判断される可能性があります。
3. その他、無効・取り消しの可能性があるケース
- 未成年の契約: 離婚協議書は、夫婦双方の署名・捺印が必要です。夫婦のどちらかが未成年の場合は、親権者の同意がない限り、その離婚協議書は無効となる可能性があります。
- 判断能力が著しく低い状態でのサイン: 泥酔状態や精神疾患などで、ご自身が正しい判断をできる状況でなかった場合、意思能力がないと判断され、契約自体が無効になる可能性があります。
離婚協議書の効力は?公正証書との違い
離婚協議書と似たものに、公正証書があります。この二つの書類は、法的効力に大きな違いがあります。
離婚協議書
- 作成者: 夫婦二人で作成
- 法的効力: 夫婦間の合意を証明する私的な契約書。原則として当事者間でのみ有効
- 強制力: 支払いなどが滞った場合、直ちに強制執行することはできません。別途、裁判手続き(調停や訴訟)を行い、確定判決を得る必要があります。
離婚公正証書
- 作成者: 公証役場にいる公証人が作成
- 法的効力: 強い証拠力を持つ公文書
- 強制力: 支払いが滞った場合、「強制執行認諾文言」が記載されていれば、裁判手続きを経ることなく、相手の財産を差し押さえるなど強制的に支払いを実現させることが可能になります。
| 項目 | 離婚協議書 | 離婚公正証書 |
| 作成場所 | どこでも(自宅、弁護士事務所など) | 公証役場 |
| 作成者 | 夫婦二人 | 公証人 |
| 法的効力 | 私的な契約書 | 公文書 |
| 支払い滞納時の強制力 | なし(別途裁判手続きが必要) | あり(強制執行認諾文言がある場合) |
| 費用 | 作成を専門家に依頼しない場合はほぼ無料 | 数万円~ |
離婚協議書はあくまでも夫婦間の約束事を書面にしたものに過ぎません。口約束よりは証拠になりますが、支払いが滞った場合の強制力がないため、養育費や慰謝料など、金銭の継続的な支払いが含まれる場合は、離婚公正証書の作成を検討すべきでしょう。
離婚協議書を作成代行するサービスの中には、公正証書作成のサポートまで行ってくれるものもあります。詳細については、ご自身の状況に合わせて専門家にご相談いただくのが良いでしょう。
当事務所でも公正証書化のサポートを行っておりますので、ご興味のある方は下記ページをご覧ください。
<a href="https://rikon.houmu.online/service/">サービス内容</a>
離婚協議書をやり直したい!取るべき行動とは?
1. まずは専門家への相談
離婚協議書にサインしてしまった後、後悔や不安を感じているなら、まずは一人で悩まずに弁護士や行政書士などの専門家へ相談しましょう。
無料相談を実施している事務所も多くあります。
専門家は、あなたの離婚協議書の内容や状況をヒアリングし、その契約が無効・取り消しになる可能性があるかどうかを法的な観点から判断してくれます。
2. 相手との再交渉
もし離婚協議書が無効・取り消しになる可能性が低い場合でも、相手と再度交渉し、離婚条件を見直してもらうという選択肢があります。
相手が話し合いに応じてくれない場合や、直接顔を合わせるのが難しい場合は、専門家が代理人として交渉してくれることもあります。
3. 離婚調停の申し立て
話し合いでの解決が難しい場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる方法があります。
離婚調停では、裁判所の調停委員が間に入り、公正な立場で夫婦双方の主張を聞いてくれます。
調停の中で、離婚協議書の内容が不当であったことを主張し、改めて公正な離婚条件を定めてもらうことを目指します。
専門家に依頼するメリットと費用
専門家に依頼するメリット
- 法的な観点からのアドバイス: あなたの離婚協議書が、本当に無効・取り消しになるのか、専門家が法的な根拠に基づいて判断してくれます。
- 精神的な負担の軽減: 相手と直接交渉することなく、専門家が代理で対応してくれるため、精神的なストレスを軽減できます。
- 正確な書類作成: 新たな離婚協議書を作成する場合、法的に有効かつ抜けのない書類を作成してもらえます。
専門家への費用
専門家への費用は、依頼する内容や事務所によって異なります。
一般的に、相談のみであれば無料~数千円、離婚協議書の作成代行や交渉を依頼する場合は数万円~数十万円が目安となります。
費用が心配な方は、まずは無料相談を利用して、具体的な費用について尋ねてみると良いでしょう。
養育費や財産分与…離婚協議書に記載するべきこと
離婚協議書にサインする前に、またやり直すことを検討するにあたって、必ず確認しておきたいのが以下のポイントです。
- 親権者: 未成年の子がいる場合、親権者をどちらにするか。
- 養育費: 金額、支払期間、支払い方法(振込口座など)を明確に記載します。
- 財産分与: 結婚期間中に築いた財産(預貯金、不動産、自動車、保険など)をどのように分けるか。
- 慰謝料: 相手の不貞行為などがあった場合、慰謝料の有無、金額、支払い方法を記載します。
- 年金分割: 婚姻期間中の厚生年金を分割する方法を記載します。
これらの条件をすべて網羅し、抜けのない離婚協議書を作成するためには、専門家に依頼するのが安心です。
当事務所では、あなたのご状況を丁寧にヒアリングし、適切な離婚協議書の作成をサポートしています。
**<a href="https://rikon.houmu.online/">トップページ</a>**には、協議離婚のポイントや離婚協議書の必要性について詳しく記載しておりますので、ぜひご覧ください。
離婚後のトラブルを避けるために
離婚協議書にサインしてしまった後、後悔しないためにも、そして離婚後のトラブルを避けるためにも、以下のことを心に留めておいてください。
1. 感情的にならず冷静に話し合う
離婚は人生の大きな転機であり、感情的になりがちです。しかし、感情的な状態での話し合いは、不利な条件を承諾してしまったり、後々のトラブルの火種になることがあります。
2. 専門家のサポートを活用する
離婚協議書の作成は、法的な知識が必要です。ご自身だけで作成しようとすると、後々トラブルの原因となる不備が生じることがあります。
専門家の力を借りることで、後悔のない離婚手続きを進めることができます。
3. 離婚協議書の不履行に備える
養育費の支払いが滞るなど、離婚協議書の内容が守られない「不履行」はよくあるトラブルです。
特に養育費は、一度滞り始めると、請求すること自体が大きなストレスになります。
これを防ぐためにも、公正証書の作成を強くお勧めします。
離婚協議書に関するQ&A
Q1. 離婚協議書に「やり直し」はできる?
A. 原則として、一度サインした離婚協議書を一方的にやり直すことはできません。ただし、詐欺や強迫があった場合など、取り消しができる可能性があります。
また、夫婦間で再度合意ができれば、新たな離婚協議書を作成し直すことも可能です。
Q2. 養育費の約束が守られない場合、どうすればいい?
A. 離婚協議書のみの場合は、まず内容証明郵便などで相手に支払いを催促します。それでも支払われない場合は、裁判所に養育費請求の調停や訴訟を申し立てる必要があります。
公正証書を作成していれば、裁判手続きを経ることなく、強制執行の手続きが可能です。
Q3. 離婚協議書は弁護士に頼むべき?行政書士でも大丈夫?
A. 離婚協議書の作成代行は、弁護士と行政書士の両方が行っています。
| 項目 | 弁護士 | 行政書士 |
| 業務範囲 | 法律相談、交渉、調停・訴訟の代理 | 法律相談(書類作成に関連するもの)、書類作成代行 |
| 強み | 相手方との交渉や裁判手続きまで一貫して依頼可能 | 比較的安価に書類作成を依頼できる |
弁護士は、相手との交渉や調停、訴訟といった法的手続きを代理人として行うことができます。一方、行政書士は、書類作成の専門家であり、交渉や訴訟の代理はできませんが、弁護士よりも安価に離婚協議書の作成を依頼できることが多いです。
ご自身の状況に合わせて、最適な専門家を選びましょう。
ご相談内容によっては行政書士では対応ができない場合もございます。
当事務所では、必要に応じて弁護士の先生をご紹介しておりますのでご安心ください。
<a href="https://rikon.houmu.online/about/">事務所情報</a>
まとめ:離婚協議書にサインしてしまった後悔を乗り越えるために
離婚協議書にサインしたものの、「本当にこのままで良いの?」という気持ちは、決して珍しいことではありません。
大切なことは、一人で抱え込まず、現状を冷静に分析し、正しい知識を持って行動することです。
- サインした離婚協議書も無効・取り消しにできる可能性があることを知る。
- 離婚協議書と公正証書の違いを理解し、今後のトラブルに備える。
- 弁護士や行政書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受ける。
離婚協議書の不履行や離婚後のトラブルを避けるためには、公正証書の作成も視野に入れると良いでしょう。
もし、今あなたが「離婚協議書にサインしてしまったけど、どうすればいいかわからない…」と悩んでいるなら、まずは一度ご相談ください。
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参考文献・関連情報
- 離婚協議書の書き方 - 弁護士法人アディーレ法律事務所
- 離婚協議書のひな形や記載事項、注意点について弁護士が解説しています。
- URL: https://www.adire.jp/rikon/rikonk_kakitaka/
- 離婚協議書の効力は?公正証書との違いと作成方法を解説 - 弁護士法人法律事務所オーセンス
- 離婚協議書と公正証書の違い、それぞれの効力について詳しく解説されています。
- URL: https://www.asahi-law.com/rikon/archives/24
- 離婚協議書の無効・取消しについて - 弁護士法人ひかり法律事務所
- 離婚協議書が無効・取消しになる具体的なケースについて、法的な観点から解説しています。
- URL: https://www.hikari-law.com/family/rikon/rikonk_mukou_torikeshi/
- 離婚調停とは?調停の進め方や費用、有利に進めるポイントを弁護士が解説 - 弁護士法人アディーレ法律事務所
- 離婚調停の流れやメリット、注意点について解説しており、離婚調停の申立てを検討している方にとって参考になります。
- URL: https://www.adire.jp/rikon/tyoutei/
- 公正証書を作成する前に確認すべきこと - 日本公証人連合会
- 公正証書の作成方法や費用、必要書類について公的な立場から解説しています。
- URL: https://www.koshonin.gr.jp/shikumi/c_gosei_nado
※本記事の一部はAIで作成しております。AIで作成された文章には不正確な内容が含まれることがございます。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

