面会交流の決め方|取り決めるべき7項目と離婚協議書への書き方【2026年改正対応】

面会交流(改正民法では「親子交流」と呼ばれます)は、離婚後に子どもと離れて暮らすことになった親が、子どもと会ったり連絡を取り合ったりすることです。
養育費と違って金額という明確な基準がないため、「月1回程度」といったあいまいな取り決めのまま離婚し、後から「話が違う」と対立が再燃するケースが非常に多い項目です。この記事では、面会交流で決めるべき具体的な項目と、離婚協議書への書き方を条項例つきで解説します。
面会交流は「子どものための制度」です
面会交流は、親が子どもに会いたいという気持ちを満たすための権利ではありません。子どもが両方の親から愛情を受けて育つための仕組みとして位置づけられています。
そのため、家庭裁判所の実務では「子の利益を最も優先して考慮する」という基準で判断されます。相手への不信感や離婚に至った経緯とは切り離して考える必要がある、というのが制度の建前です。
もっとも、これはどんな場合でも必ず会わせなければならない、という意味ではありません。次のような事情がある場合には、面会交流を制限したり、実施しないという判断もあり得ます。
- 子どもへの虐待や、それに準じる行為があった
- 同居親へのDVがあり、面会が新たな加害の機会になるおそれがある
- 連れ去りのおそれが具体的にある
- 子ども自身が明確に拒否しており、その意思が自発的なものと認められる
不安がある場合は、無理に自分たちだけで決めようとせず、専門家や家庭裁判所の手続きを利用することを検討してください。
【2026年4月施行】改正民法で変わった点
2026年4月1日に施行された改正民法では、親子交流について次の見直しが行われました。
- 家庭裁判所の手続き中に、試行的に交流を実施できるようになりました。調停や審判が終わるまで一切会えない、という状況を避けるための仕組みです
- 家庭裁判所が、交流の日時・場所・方法や、守るべき約束事を具体的に定められることが明確化されました
- 祖父母など父母以外の親族と子どもの交流についても、子どもとの間に親子同様の親しい関係があり、子のために特に必要があると認められる場合には、家庭裁判所が定められるようになりました
また、離婚後の親権について共同親権か単独親権かを選べるようになったことに伴い、離婚時に親子交流の在り方をきちんと話し合っておく重要性はこれまで以上に高まっています。
面会交流で決めるべき7つの項目
「月1回会わせる」だけでは、実際の運用が始まった瞬間に判断できないことが次々に出てきます。最低限、次の7点を決めておいてください。
| 項目 | 決めておく内容 |
|---|---|
| ①頻度 | 月1回、隔週など。「第2土曜日」まで決めると調整の手間が減る |
| ②1回あたりの時間 | 何時から何時まで。宿泊を認めるか |
| ③受け渡しの方法 | 場所、どちらが送迎するか。直接会いたくない場合は駅や施設を指定 |
| ④連絡方法 | 日程調整を誰が・いつまでに・どの手段で行うか |
| ⑤学校行事 | 運動会・発表会への参加を認めるか(面会回数に含めるかも明記) |
| ⑥直接会う以外の交流 | 電話・ビデオ通話・手紙・プレゼントの可否と頻度 |
| ⑦中止・変更の扱い | 子の体調不良や行事と重なった場合の振替の有無 |
特にトラブルになりやすいのが④連絡方法と⑦振替です。「毎回LINEで前月末までに調整する」といった具体的なルールがないと、日程調整そのものが争いの種になります。
細かく決めるか、緩やかに決めるか
ここには正解が2通りあります。
- 細かく決める——相手と直接やり取りしたくない、対立が強い場合に向きます。裁量の余地を減らすことで、その都度の交渉を不要にします
- 緩やかに決める——協力関係が保てている場合に向きます。子どもの成長や予定に柔軟に合わせられます
迷ったら「基本ルールは具体的に決め、変更は協議できる」という書き方にしておくと、どちらの状況にも対応できます。
離婚協議書への書き方(条項例)
第○条(面会交流)
乙は、甲が長男○○と面会交流することを認める。2 面会交流の頻度は1か月に1回とし、日時・場所・方法は、子の福祉に配慮し、事前に甲乙が協議して定める。
3 前項の協議は、原則として実施日の属する月の前月末日までに、電子メールまたはSNSのメッセージ機能により行う。
4 子の体調不良、学校行事その他やむを得ない事由により実施できないときは、甲乙協議のうえ、同月内で振替日を定めるよう努める。
5 甲乙は、子の面前で相手方を非難する言動をしないものとする。
第5項のような「子の前で相手を悪く言わない」条項は、法的な強制力という点では限界がありますが、面会交流を長く続けるうえで実務上とても意味のある一文です。
面会交流と養育費は「取引材料」にしない
相談の現場でよく聞かれるのが、「養育費を払わないなら会わせない」「会わせないなら養育費は払わない」という主張です。
しかし、養育費の支払義務と面会交流は、法律上それぞれ独立した問題として扱われます。一方が果たされないことを理由に、他方を拒否することは原則として認められません。どちらも「子どもの利益のためのもの」だからです。
感情としては理解できる主張ですが、この形で対立すると、最終的に不利益を受けるのは子どもです。取り決めの段階で、この2つを切り離して考える姿勢を共有しておくことが、長続きする合意につながります。
面会交流の取り決めも書面に残しましょう
協議離婚相談室(佐藤事務所)では、離婚協議書・公正証書の作成をサポートしています。面会交流は「どこまで書き込むか」の判断が難しく、書きすぎても書かなすぎても後で困る項目です。ご事情をうかがったうえで、双方が納得できる形に整えるお手伝いをします。
初回のご相談は無料です。メール・電話・LINEで、全国どこからでもご相談いただけます。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の事案についての法的助言ではありません。行政書士法に定められた法定業務は提携行政書士が行います。紛争性のある事案は弁護士へご相談ください。

