離婚届を勝手に出された!無効にできる?慰謝料は?知っておくべき対処法を徹底解説

はじめに

「知らないうちに離婚届が出されていた」

もしも、ご自身がそんな状況に陥ってしまったら、どうすればいいのか途方に暮れてしまいますよね。

まさかそんなことが起きるはずがない、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に離婚の意思がないにも関わらず、配偶者によって離婚届を勝手に提出されてしまうケースは残念ながら存在します。

この記事では、もしもあなたの知らない間に離婚届が提出されてしまった場合の対処法について、具体的なステップを解説します。離婚届を無効にする方法や、慰謝料請求、さらには刑事告訴まで、あなたが取るべき行動を一つずつ丁寧に見ていきましょう。


離婚届が勝手に出された!そのときにまずやるべきこと

離婚届が勝手に提出されたことを知ったとき、パニックになってしまうのは当然です。しかし、まずは落ち着いて、これから解説する2つのことを速やかに行動に移すことが重要です。

1. 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を取得して状況を確認する

まずは、ご自身の戸籍がどうなっているのかを正確に把握することが最初のステップです。

市役所や区役所の窓口で、戸籍謄本を取得してください。戸籍謄本には、婚姻や離婚といった身分関係の変更履歴がすべて記載されています。

もしも離婚届が受理されていれば、戸籍に「離婚」の事実が記載されているはずです。この確認によって、本当に離婚が成立してしまったのか、それともまだ離婚届が受理されていないのかが判明します。

また、本籍地以外の市区町村役場でも、本人確認書類があれば戸籍謄本を請求することができます。

2. 離婚届の受理状況を確認する

戸籍謄本の取得と並行して、配偶者が離婚届を提出したとみられる市区町村役場の窓口で、離婚届が受理されたかどうかを直接確認することも重要です。

窓口で本人確認書類を提示し、「自分の知らない間に離婚届が提出されていないか」を尋ねましょう。もし離婚届が受理されていれば、その際に「離婚届受理通知」がご自身に届いていないかを確認することも大切です。通常、離婚届が受理された場合、届出人に加えて、届出をしない側の配偶者にも受理通知が送付されます。この通知が届いていない場合、配偶者が受理通知の送付を妨害した可能性も考えられます。


離婚の意思がないのに離婚届が受理されてしまった場合

戸籍謄本を取得した結果、戸籍に離婚の事実が記載されており、離婚届がすでに受理されてしまっていた場合。

この状況で最も重要なことは、「離婚意思」がなかったことを証明し、離婚を無効にすることです。

離婚届の有効・無効を分ける「離婚意思」

日本の法律において、協議離婚は夫婦双方に離婚の意思があることが大前提です。配偶者が勝手にあなたの署名や押印を偽造して提出した場合、あなたには「離婚意思」がありません。

この場合、形式的には離婚が成立しているように見えますが、実質的には無効であると主張できます。


離婚無効にするための手続き

離婚の意思がないにも関わらず離婚届が受理されてしまった場合、離婚を無効にするためには「離婚無効確認訴訟」を提起する必要があります。

1. 家庭裁判所への「離婚無効確認調停」の申立て

まずは、家庭裁判所に離婚無効確認調停を申し立てます。

調停では、調停委員を介して配偶者と話し合いを行い、離婚が無効であることを認めてもらうことを目指します。しかし、勝手に離婚届を提出するような相手が素直に話し合いに応じるとは限りません。

調停が不成立に終わった場合、次のステップである訴訟に進むことになります。

2. 家庭裁判所への「離婚無効確認訴訟」の提起

調停が不成立に終わった場合、離婚無効確認訴訟を家庭裁判所に提起します。

この訴訟では、「自分には離婚の意思がなかったこと」を証明する必要があります。裁判所は、あなたの離婚意思の有無について、提出された証拠に基づいて判断します。

訴訟で勝訴すれば、裁判所が離婚を無効とする判決を下し、その判決に基づいて戸籍を訂正することができます。


離婚届が偽造された場合の法的責任

配偶者があなたの署名や押印を偽造して離婚届を提出した場合、配偶者はいくつかの法的責任を負う可能性があります。

罪名解説罰則
有印私文書偽造罪権利や義務、事実証明に関する他人の署名や押印を偽造する罪。離婚届はこれに該当します。3か月以上5年以下の懲役
公正証書原本不実記載罪公務員に対し、虚偽の申立てをして公正証書の原本に不実の記載をさせる罪。離婚届を提出して戸籍に虚偽の事実を記載させた場合に該当します。5年以下の懲役または50万円以下の罰金

これらの罪は、刑事告訴を行うことで配偶者の責任を追及することができます。

刑事告訴をするかどうかは、ご自身の判断によりますが、弁護士と相談しながら進めるのが良いでしょう。


離婚届の勝手な提出を未然に防ぐ「不受理申出」

「離婚届を勝手に出されそう」

「離婚届に署名・押印はしたけれど、今は離婚したくない」

もし、配偶者が勝手に離婚届を提出する可能性があると感じているなら、「離婚届不受理申出」を行うことで、そのリスクを未然に防ぐことができます。

不受理申出とは?

不受理申出とは、あらかじめ市区町村役場に届け出を行うことで、ご自身が窓口に来ていない限り、離婚届を受理しないようにしてもらう制度です。

この申出をしておけば、配偶者があなたの署名・押印を偽造して離婚届を提出しても、受理されることはありません。

不受理申出の手続き方法

  • 申出人: 離婚届を提出させたくない本人
  • 提出先: 本籍地または住所地の市区町村役場
  • 必要書類: 不受理申出書、本人確認書類(運転免許証など)

不受理申出に有効期限はありません。もし申出を取り下げたい場合は、「不受理申出の取下げ」を別途行う必要があります。


勝手に離婚届を出された場合の慰謝料請求

離婚届を勝手に提出されたことで受けた精神的苦痛は非常に大きいものです。このような場合、配偶者に対して慰謝料請求をすることが可能です。

慰謝料請求が認められるケース

  • 離婚の意思がないのに離婚届を提出された
  • 離婚意思がないのに離婚届に署名・押印を偽造された
  • 離婚の成立によって精神的苦痛を被った

離婚届を勝手に提出する行為は、夫婦間の信頼関係を破壊する悪質な行為であり、不法行為にあたります。そのため、精神的苦痛に対する慰謝料を請求できる可能性が非常に高いです。

慰謝料の相場と請求方法

慰謝料の金額は、事案の悪質性や被害の程度によって異なります。一般的な相場は数十万円から数百万円程度となることが多いです。

慰謝料を請求する方法は以下の2つがあります。

  1. 配偶者との直接交渉: 夫婦間で話し合い、慰謝料額について合意する方法。
  2. 離婚調停: 家庭裁判所の調停を利用し、話し合いを行う方法。
  3. 訴訟: 慰謝料請求訴訟を提起し、裁判所の判断を求める方法。

特に、配偶者との直接交渉が難しい場合は、弁護士に相談し、内容証明郵便を送付するなどして請求を行うのが効果的です。


弁護士に相談するタイミングとメリット

「離婚届を勝手に出された」という事態は、法的な知識がなければ対処が非常に難しい問題です。

そのため、この問題に直面したら、できるだけ早く弁護士に相談することを強くおすすめします。

弁護士に相談するメリット

メリット解説
適切なアドバイス状況を正確に把握し、最善の対処法について専門的なアドバイスをもらえる。
迅速な対応離婚届不受理申出や離婚無効確認訴訟など、複雑な手続きを迅速に進めてもらえる。
精神的なサポート弁護士に一任することで、精神的な負担を軽減できる。
慰謝料請求のサポート慰謝料の適正な金額や請求方法についてサポートしてもらえる。
証拠収集のサポート離婚無効や慰謝料請求に必要な証拠の収集方法についてアドバイスをもらえる。

特に、親権問題が絡んでくる場合や、配偶者が不倫をしていた場合など、問題が複雑化するケースでは、早期に弁護士に相談することが不可欠です。


関連するQ&A

Q1. 離婚届が受理された場合、親権はどうなりますか?

A. 離婚届に親権者の記載があった場合、形式的にはその記載どおりとなります。しかし、離婚が無効と認められれば、親権も元の状態に戻ります。もし、配偶者が勝手に離婚届を提出し、親権者を自分と記載していたとしても、それがあなたの意に反するものであれば、離婚無効確認訴訟の中で親権についても改めて判断を求めることができます。

Q2. 離婚届の偽造が判明した場合、刑事告訴は必ずすべきですか?

A. 刑事告訴は、被害者が加害者の処罰を求める意思表示であり、強制されるものではありません。告訴することで相手の刑事責任を追及できますが、その後の関係性はさらに悪化する可能性があります。弁護士に相談し、ご自身の今後の人生にとって何が最善かを慎重に検討したうえで判断することが重要です。

Q3. 離婚届不受理申出をしていても、調停や訴訟で離婚が成立することはありますか?

A. はい、あります。不受理申出は、協議離婚の届出を無効にするための制度です。家庭裁判所での離婚調停離婚訴訟によって離婚が成立した場合は、申出に関わらず離婚届が受理されます。


まとめ

離婚の意思がないにも関わらず、離婚届を勝手に提出されてしまうという事態は、決して他人事ではありません。

もしもあなたがそのような状況に直面した場合は、まず落ち着いて戸籍謄本を取得し、離婚が受理されているかを確認しましょう。

そして、離婚がすでに受理されてしまっていたとしても、離婚無効確認訴訟を提起することで、離婚を無効にできる可能性が十分にあります。また、精神的苦痛に対する慰謝料請求や、悪質な行為に対する刑事告訴も検討できます。

何よりも大切なことは、一人で悩まずに、信頼できる弁護士に相談することです。弁護士はあなたの味方となり、最適な解決策へと導いてくれます。

離婚届を勝手に出されたという状況は、非常に辛く、苦しいものです。しかし、正しい知識と行動力があれば、きっとあなたの平穏な日常を取り戻すことができるはずです。


参考になるサイト

離婚届が勝手に出された場合の対応について詳しく解説しているサイト

  • 法務省 - 離婚届の不受理申出
    • 離婚届不受理申出制度について、法務省が公式に解説しているページです。不受理申出書の様式や手続き方法を確認できます。
    • https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07.html
  • 裁判所 - 離婚無効確認の調停
  • 政府広報オンライン - 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)等の請求方法
  • 弁護士法人アディーレ法律事務所 - 離婚届を勝手に出された場合の対処法

※本記事の一部はAIで作成しております。AIで作成された文章には不正確な内容が含まれることがございます。予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

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