離婚したいけど「理由なし」ではダメ?「性格の不一致」で離婚できる可能性は?

「なんとなく離婚したい」「夫と話が合わない」
結婚生活を送るなかで、そうした漠然とした思いを抱くことはありませんか?
もしあなたが「性格の不一致」を理由に離婚を考えているなら、それは「理由なし」とはまったく違います。
日本の法律では、特定の理由がなくても、夫婦の合意があれば離婚が可能です。しかし、話し合いで合意に至らない場合は、法律で定められた「法定離婚事由」が必要となります。
この記事では、「理由なし」で離婚できるのかという疑問にお答えし、特に多い離婚理由である「性格の不一致」をどう解決していくかについて、わかりやすく解説します。
目次
「理由なし」でも離婚できる?3つの離婚方法と「法定離婚事由」の関係
まず、日本の法律では離婚の方法が3つあります。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 裁判離婚
このうち、どの方法を選ぶかによって「離婚の理由」の取り扱いが大きく変わります。
1. 夫婦の話し合いで進める「協議離婚」
協議離婚は、夫婦の話し合いだけで離婚を成立させる方法です。
離婚届に夫婦双方が署名捺印し、役所に提出すれば離婚が成立します。この方法では、離婚理由を問われることはありません。
「性格の不一致」や「価値観の違い」といった、法的な理由にあたらないものでも、夫婦が離婚に合意すれば問題なく離婚できます。
協議離婚のメリットは、何よりも時間や費用を抑えられる点です。家庭裁判所を通さずに手続きができるため、スムーズに進めば数週間で離婚が成立することも珍しくありません。
ただし、後のトラブルを避けるために、養育費や財産分与などの取り決めは、必ず文書(離婚協議書)に残しておきましょう。離婚協議書は、公正証書にすることで、強制執行力を持たせることができ、万が一相手が支払いを怠った場合にも対応しやすくなります。
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2. 裁判所の第三者を交えて話し合う「調停離婚」
夫婦間での話し合いがうまくいかない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。
調停では、調停委員と呼ばれる第三者が間に入り、夫婦それぞれの意見を聞きながら、歩み寄れる点を探っていきます。
この段階でも、離婚理由を厳密に問われることはありません。
たとえば、「夫の借金癖が直らない」「義実家との関係がうまくいかない」といった個別の事情を具体的に調停委員に伝えることで、離婚の必要性を理解してもらいやすくなります。
もし、あなたが離婚調停を検討されているのであれば、事前に専門家に相談することをおすすめします。弊社の料金プランは以下のページでご確認いただけます。
3. 法的な理由が必要となる「裁判離婚」
調停でも合意に至らなかった場合、最終手段として裁判離婚を検討することになります。
裁判で離婚を認めてもらうためには、法律で定められた法定離婚事由(民法770条1項)のいずれかに該当することを証明しなければなりません。
法定離婚事由は、以下の5つです。
- 配偶者に不貞行為があったとき
- 配偶者から悪意の遺棄を受けたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
「性格の不一致」や「価値観の違い」は、この5つのうち「5. その他婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたる可能性があります。
ただし、単に「性格が合わない」というだけでは裁判で認められることは難しいでしょう。
「婚姻関係が破綻している」と客観的に判断できる事実を積み重ねていく必要があります。
離婚理由の王道「性格の不一致」をどう証明する?
日本の裁判所で離婚理由として最も多いのは「性格の不一致」です。
ただし、裁判では、単に「性格が合わない」という抽象的な理由では不十分です。
具体的に、どのような事実が「婚姻関係の破綻」を裏付ける根拠となるのかを見ていきましょう。
裁判で「性格の不一致」が認められるケースとは?
裁判所が「婚姻関係が破綻している」と判断するうえで重視するのは、単なる好き嫌いではなく、「夫婦としての共同生活を継続していくことが難しい」という客観的な事実です。
以下のような状況が長期間にわたって続いている場合、裁判所は「性格の不一致」を理由に離婚を認める可能性があります。
| 具体的な状況の例 | 証拠として提示できるもの |
| 金銭感覚の違い | - 収入に見合わない浪費 |
| - 借金 | |
| - 家計簿や借金の明細、通帳の履歴など | |
| 子どもに関する考え方の違い | - 習い事や進路、しつけに対する意見の相違 |
| - 教育方針についての夫婦間のやり取りの記録など | |
| 家事育児への協力不足 | - 夫が家事や育児を全く手伝わない |
| - 夫婦で家事分担について話し合った記録 | |
| - 一方的な家事育児の負担がわかる日記など | |
| 性生活に関する考え方の違い | - 性的嗜好の相違 |
| - 長期間にわたるセックスレス | |
| - そのことについての話し合いの記録など | |
| 親族との関係 | - 義実家との関係 |
| - 義実家からの介入 | |
| - 夫が親族との関係改善に協力しない事実など |
上記のような事実に加えて、夫婦間の話し合いが全く成立しない状況や、別居期間が長いことも重要な要素となります。
「性格の不一致」と「法定離婚事由」の関係
実は、「性格の不一致」は、他の法定離婚事由と密接に関わっていることがあります。
たとえば、配偶者の不貞行為やDV(家庭内暴力)、**モラハラ(精神的暴力)**なども、広い意味で「性格の不一致」が根底にあることが多いです。
しかし、これらの事実が明確に証明できる場合は、裁判では「不貞行為」や「婚姻を継続しがたい重大な事由」として、離婚が認められやすくなります。
| 法定離婚事由 | 具体例 |
| 不貞行為 | - 配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと |
| - 探偵による調査報告書、写真、メールやLINEの履歴 | |
| 悪意の遺棄 | - 生活費を渡さない |
| - 正当な理由なく同居を拒む | |
| - 裁判で証明できる通帳の履歴、メールのやり取りなど | |
| 強度の精神病 | - 統合失調症や双極性障害などで、回復の見込みがない |
| - 医師の診断書 | |
| 3年以上生死不明 | - 警察への捜索願の提出 |
| - 家族や友人への聞き込みの記録 | |
| 婚姻を継続しがたい重大な事由 | - DV、モラハラ、過度な浪費、犯罪行為など |
| - 診断書、日記、メールやLINEの履歴、録音データなど |
離婚を切り出す前に確認すべき3つのポイント
もしあなたが離婚を検討し始めたばかりなら、まずは以下の3つのポイントをしっかり確認しておきましょう。
1. 離婚後の生活設計
離婚後の生活を具体的にイメージできていますか?
- 住む場所:実家に戻るのか、新たに住居を借りるのか
- 仕事:現在の仕事を続けるのか、転職するのか
- 収入:ひとりで生活できるだけの収入があるか
- 子どもの養育:保育園や学校の転校が必要か
特に、お子さんがいる場合は養育費の取り決めが重要です。養育費は子どもの生活を支える大切な資金であり、必ず取り決めておきましょう。
離婚後の生活設計を立てることは、あなたが本当に離婚したいのか、離婚に踏み切る覚悟があるのかを考える上でも役立ちます。
2. 配偶者の同意を得るための準備
協議離婚を目指すのであれば、配偶者が離婚に同意してくれるよう、話し合いの準備が重要です。
- 離婚したい理由を明確にする:漠然とした気持ちだけでなく、具体的な理由を整理しておきましょう。
- 自分の希望をまとめる:財産分与や養育費、子どもの親権など、あなたが希望することを明確にしておきましょう。
- 冷静な話し合いの場を設ける:感情的にならず、落ち着いて話し合えるタイミングを選びましょう。
夫婦で冷静な話し合いが難しい場合は、調停を検討するのも一つの方法です。
3. 財産分与や養育費の知識を身につける
離婚する際に、必ず確認すべきなのが財産分与と養育費です。
- 財産分与:婚姻期間中に夫婦で築き上げた財産を分けることです。預貯金、不動産、自動車、保険の解約返戻金などが対象となります。
- 養育費:子どもが自立するまでに必要となる費用を、親が分担して支払うことです。
これらの取り決めを曖昧にしたまま離婚すると、後で大きなトラブルになる可能性があります。
弁護士などの専門家に相談することで、あなたの状況に応じたアドバイスを得ることができます。
弊社の問い合わせページはこちらです。
まとめ:あなたの離婚は「理由なし」ではない
「なんとなく離婚したい」「性格が合わない」といった思いは、決して「理由なし」ではありません。
夫婦の合意があれば、協議離婚という形で、法律で定められた法定離婚事由がなくても離婚は可能です。
ただし、話し合いでの合意が難しい場合は、調停や裁判へと進むことになります。
特に裁判では、「性格の不一致」という理由だけでは認められにくく、婚姻関係が破綻していることを客観的な事実で証明する必要があります。
もしあなたが離婚を考えているなら、まずは以下の3つのステップを踏んでみましょう。
- 離婚後の生活設計を立てる
- 冷静に話し合い、協議離婚を目指す
- 弁護士などの専門家に相談する
離婚は、あなたの人生をより良いものにするための選択です。ひとりで悩まず、専門家の力を借りることも視野に入れて、前向きに進んでいきましょう。
このブログでは、離婚に関するさまざまな情報を提供しています。最新のブログ記事はこちらからご覧いただけます。
参考URL
- 離婚調停とは?弁護士に依頼するメリット・デメリットや費用を解説 離婚調停の流れや弁護士に依頼するメリットなどについて、弁護士法人アディーレ法律事務所が解説しています。https://www.adire.jp/rikon/rikonchoutei/
- 離婚原因ランキング!男女別の離婚理由1位は? 司法統計を基に、男女別の離婚理由のランキングがまとめられています。離婚理由として「性格の不一致」が圧倒的に多いことがわかります。https://www.asahi-law.com/rikon/column/reason-ranking/
- 離婚の条件(財産分与・養育費・慰謝料など)を弁護士が解説 離婚時に取り決めるべき財産分与や養育費、慰謝料などについて、弁護士法人ひまわり法律事務所が詳しく解説しています。https://www.himawari-law.com/divorce/condition/
- 財産分与の対象になるもの・ならないもの一覧|弁護士が解説 弁護士法人ALGが、財産分与の対象となる財産と対象とならない財産を具体的に解説しており、財産分与の範囲を理解するのに役立ちます。https://rikon-pro.com/column/zaisanbunyo/13/
- 【弁護士が解説】婚姻を継続し難い重大な事由とは? 「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」がどのような場合に認められるのか、弁護士が具体的な事例を交えて解説しています。https://www.yotsubalegal.com/rikon/rikon_reason/
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